*これは彼女の本気のサイドストーリーっぽいものです。
先に彼女の本気を読んでおくことをおすすめします。
では、どうぞ……
……あたしは智代に嫉妬していた。
なぜならあたしの大事な恋人を獲られたからだ。
でも、まだ完璧に獲られたわけではないので今日、あたしはあいつに向かってこう言う。
『朋也とあたしは付き合ってるんだっ!』
……って。
今日はいい天気だった。
……でも、あたしの隣には誰もいない。
寂しい……よ。朋也ぁ……
あたしは覚悟をして、長い坂を登っていった。
チャンスは昼!
そう決めていた。
授業をぼーっと聞きながら時間が経つのを待っている。
あーあ、朋也と過ごしているときは時間経つの早いのに……
なんとか昼放課になって、智代が来る前に朋也に用件だけ伝えておいた。
「今日あたしに付き合ってよね」
「ん? ああ分かった」
それであたしの昼放課は終わっていった。
ああ、放課後が待ち遠しい。
放課後になって朋也の教室へと向かっていく。
「あ、朋也〜」
いとしの好きな人の名前を呼んで、教室に入り朋也の襟を掴んで引っ張っていく。
「じゃーねぇ」
陽平に軽い挨拶をして朋也を連れて教室へ出る。
「ん」
朋也とキスをする。
何回目かは忘れてしまったが結構していると思う。
「ふう、まったくお前はキス魔だなぁ」
「とか何とか言っちゃって朋也だって相当なもんよ?」
そう、喋っているときだった。
何か視線を感じた。
「そこにいるのは誰!?」
「っ!」
草むらの影から智代が出てくる。
「覗き見とはいい度胸じゃない」
「…別に好きで覗いていた訳ではない」
「そうかしら? 今だって覗いていたわけだしねぇ……」
あたしは智代をじっと見る。
「そこまでにしておけよ。杏」
朋也の静止の声が聞こえてしょうがなく視線を外す。
「あ、でも、これだけは言わせてね? 朋也」
「ああ、分かった」
朋也の了解を得て智代に話す。
「朋也はあたしの彼氏だから、もう邪魔しないでくれる?」
「え?」
智代はそうだったのかという顔をしている。
「そうなのか? 朋也」
「……すまん」
朋也はそれだけ言うとあたしの手を引いてその場を去った。
「何? あんたあたしのこと言ってなかったの?」
「……言う機会がなくてな」
「それでも朝でも昼でも言う機会はあったはずよっ!?」
「……すまん。俺はそれだけしか言えない」
あたしは、はぁと大きく溜息をつく。
「・・まぁあたしはそういうところが好きになったわけだしね」
「杏」
「じゃあ、今日からはあたしに付き合ってもらうからね」
「ああ、分かった」
こうしてあたしと朋也は新の恋人同士となった。
おまけ
「えへへ〜」
「あんまくっつくなって」
あたしは今朋也の腕に掴んでいる。
だって、好きな人の前では甘えん坊でいたのだから……
それで、同時期に陽平と智代が付き合いだした。
陽平からの告白だったらしい。
あたしと朋也は驚きながらも祝福した。
こういて二つのバカップルが誕生したことは言うまでもない……