「恭介さん。ゲームしませんか?」

美魚の一言が俺に不運を巻き起こす。

「いきなりだな」
「で、しますか? しませんか?」
「そりゃするに決まってんだろ!」
俺は了承すると美魚はポケットからあるものを取り出す。

「そ、それは……っ!」
そう、取り出したものはポッキーであった。
「はい、私とポッキーゲームをしましょう」

おおうっ、おさまれ俺の妄想よっ。
くっ、美魚がこんな積極的になるとは不覚だったぜ。

「恭介さんが食べてください」
口に咥えて一言。

その姿は可愛かった。
少し赤らめながらも早く食べてくださいオーラをかもし出す美魚。

俺の理性は止まらなーいっ!
「ああ、分かったぜ」
なぜか緊張をしてしまう。
ドクン…ドクン…。
心臓の音が俺の頭に鳴り響く。

「いくぜ……」
「どうぞ」
ミッションスタート!

ボリッ……。
最初の一口は大きめで行ってみた。
残りは半分か…。
長いようで短い長さだ。

「ひょうふけさん。ひゃやめにおねふぁいしまふ」
「ああ、分かってる」
と言葉ではいいつつも俺はじらし作戦でいくことにした。
カリカリ……。
少しづつ小さくかじっていく。
「ん……」
少し、また少しと美魚の吐息が近づく。
そして今残り長さ10cmを切った。
美魚は目を瞑っているため今俺がどこにいるか分からないだろう。
……それが俺の狙いだ。

「このままいってキスしてもいいか?」
「ふぇ?」
驚いたような声を出す。
「それふぁとひょうふけさんの負けになりまひゅよ?」
微妙に聞き取りづらいがこう喋っている美魚は珍しい。
「キスしたら罰ゲームだろ? 分かってるよ。それで俺の勝ちは?」
「ふぁたしが恥ずかしさのあふぁりにこのほぉっきーを放したらでふ」
「了解」
さて続きを始めるか。

カリ…カリ…。
一歩また一歩と口と口が近づいていく。
俺の顔も赤いが美魚の顔も比例して赤い。
ふっ……いいこと思いついたぜ。
カリカリ……
高速で食べていく。
もちろん、ぜんぜん食べない。
が牽制にはなる。
案の定美魚は焦ったような表情になる。
目を閉じているためあとどれくらいかが把握できないからだろう。

さて、そろそろフィニッシュと行こうか!
カリ……
あと数センチ。
カリ……
カリ……チュ。
「あっ……」
我ながらしょぼいミスをしてしまった。
慎重に行くあまり長さを考えてなかったためそのままキスをしてしまう。
「ふふ、私の勝ちですね。恭介さん」
「ああ、負けたよ」
素直に負けを認めて楽になろうじゃないか。

「では、今度の日曜日デートしてくださいね」
「ああ分かった。ってそんなんでいいのか?」
「はい、私は恭介さんと二人で過ごすのが幸せですから」
恥ずかしい言葉を言ってくれるぜ。まったく。

でもま、こんなのもいっかな。

デートの次の週。
またゲームを美魚から持ちかけられた。
今度はツイスターらしい。
三枝から借りたらしいが美魚
……その格好はいいアングルだぜ。
「ナイスッ!」
げしっ
足で蹴られたのは言うまでもない。

 

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